2020/07/12
石狩浜(はまなすの丘公園)を後にして美唄へ向かう途中、JR札沼線の廃線跡を見た。北海道の鉄道路線は50年前に4,000kmあった。しかし、不採算路線を廃止していく中、今はその半分ほどが廃止されている。札沼線の「札」は言わずと知れた札幌のこと。では「沼」とはどこか。札幌駅から北東方向に直線距離で約95km離れた石狩沼田駅である。以前は路線がつながっていたのだが、新十津川駅 - 石狩沼田駅間が1972年6月19日に廃止されていた。そしてこの度、今年の5月7日に路線が廃止となった。しかし運行は廃止日を待たずして4月17日に終了している。というのも新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大を考慮し、大型連休に入る前の4月24日に一般向けの運行を終了することになり、さらに最終運行日が急遽、4月17日に繰り上げられたらしい。また4月27日に予定されていた、沿線4町の住民による「ラストラン運行」も中止になってしまった。鉄道ファンのCOVID-19に対する恨み節が聞こえてきそうである。Googleマップを見ればもう北海道医療大学駅から先は鉄路が消えている。新十津川駅は鉄路なしの駅だけの表示である。
もちろん現実的には線路が残っている。その線路がこれです。石狩金沢駅と本中小屋駅の中間点あたりの写真です。つい3ヶ月前まではここをディーゼル機関車が走っていたのだ。
線路横に見事に咲いた菜の花畑があった。7月だというのに菜の花(?)と兵庫県の人間にはまるで春にタイムスリップしたかのような光景に写った。黄色の中に無数の白いものがひらひらと飛んでいる。蝶です。遠目の写真では分かりづらいがズームするとよく分かる。 花畑から林の茂みに目を転じるとエゾアジサイが鮮やかに咲いていた。
こんな何でも無いところに素晴らしい景色がと感じ入った。しかしこのあと北海道を旅してわかったのだが、北海道にはこのような景色があふれている。感動レベルの景色がそこかしこに普通にあるのが北海道なのだ。我々の旅はこうした景色を眼に、心に焼き付けるものとなる。(つづく)