2020/07/18
六泊した東川町に別れを告げ、今日は稚内への移動日だ。稚内には二泊の予定。今日の予定は大雑把に次のとおり。①豊富温泉で「油風呂」に入る。②ノシャップ岬でうまい昼メシを食べる。③サロベツ原野を走る一本道「北海道道106号稚内天塩線」をドライブ。④地点「45°04'44.2"N 141°38'06.8"E」あたりから夕景を眺める。(この地点から眺めると夕日が利尻島に沈むと予測)⑤稚内に泊まる。
朝6時頃東川町を出発し、まずは旭川市に向かう。まずは朝メシ。泊まっていた東川暮らし体験館にはキッチンも冷蔵庫も調理器具・食器類もすべて整っているので自炊しても良かったのだが、今朝の出発に備え、昨夜の内に冷蔵庫に残っていた食材すべて腹に収め、すべてを洗浄、清掃してチェックイン時と同じ状態に整えたのだ。今日の移動ルートに近い場所にあって早朝から営業している食堂をWeb検索で探すと、朝6時半から営業している「なばりゅう食堂」があった。炊きたてご飯に味噌汁、焼き魚(塩鯖をチョイス)、生卵、納豆、たくあん、こういう朝メシが食いたかったのだ。ありがたや。また来ることを考えてGoogleマップに「♡」印を付けて保存した。
うまい朝メシで腹が満たされたら、車でひたすら北上し稚内を目指す。車窓からの眺めで目を楽しませてくれたのが、綺麗に刈り取られた畑に転がっているロール。麦稈ロールと言って牛の寝床に敷かれる麦わらを丸めたものらしい。同じような形でラップされたものがある。ラップは白や黒、白と黒の縞などいろいろあった。このラップしたものは牧草ロールで牛の餌になる草をパッキングしたものらしい。おそらく青い草をロールにしてパックしているのだろう。
11:00ごろに豊富温泉に着いた。この温泉のことは旭川空港の土産ショップの店長に教えてもらった。「油風呂」とも呼ばれるここの温泉は大正時代、石油試掘中に天然ガスとともに湧出した化石海水の温泉だとのこと。石油くさいといっても良いほどニオイがするのと黄濁しているので、それを嫌う人もあるかもしれないが、確かに珍しい成分の温泉で、こんな温泉に入ったのは初めてである。実際に肌はすべすべしたし、もし皮膚病があれば効きそうな温泉だった。珍しい泉質の温泉、しかも日本最北端の温泉郷に入ることができた。さすが地元の人が熱烈に推奨してくれただけのことはある。
温泉で気分も身体もリフレッシュした我々は、さらに北へ進み、ほどなくノシャップ岬に着いた。さて昼メシだ。事前に目を付けていたのは「漁師の店」という食堂だったのだが、店を探してうろうろしている内に「みなとや」という食堂の前にさしかかり、店のおばさんと目が合ってしまった。眼がどうぞどうぞと招いている。ひろい駐車場があったので、じゃあここにしようかと「みなとや」の暖簾をくぐった。
帆立ラーメンがうまいとの情報を得ていたのだが、私は帆立があまり好きではない。もう少し値が張るが「一つのどんぶりで二度おいしい!二股丼」という海鮮丼にした。ウニともう一種(カニ・イクラ・ホタテ・イカのいずれか)が丼にど~~んと載っているというものである。カニは何ガニかしらないが、関西の人間には季節ハズレの感がする。ホタテはあまり好きではない。残るはイクラかイカか。どちらもウニとの相性は良さそうだ。迷いに迷ったが、見た目が鮮やかであろうイクラに決めた。ボリューム満点。これだけ栄養価が高そうなメシを食べたらもう晩メシはコンビニおにぎり一つでいいやと思うほどの満腹感であった。
昼メシの後は北海道道106号稚内天塩線を南下。右手に海と利尻島、左手にサロベツ原野を見ながらの一本道を走るのは気持ちが良い。
15:30を過ぎたころからは車を道端の空き地に駐めて、ひたすら利尻島を眺めて過ごした。時間を惜しんであちこち車で見て回る手もあるのだが、せっかくの好天。今日は夕日が沈むまで利尻島を眺めて夕景を楽しむことにした。これはこれで贅沢な時間だろう。
19:12 日没を見届けて今夜の宿泊ホテルのある稚内に向かった。今夜は早く寝て、明日は朝一番のフェリーで利尻島に渡り、島を一周する予定である。明日も天気に恵まれますように。(つづく)