2020/12/16
昨夜は7番札所十楽寺の宿坊「光明会館」に宿泊した。予定を繰り上げ昨日のうちに10番札所切幡寺まで廻ったので、今日は11番札所藤井寺、12番札所焼山寺を廻り「神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯」に宿泊する。
四国遍路はこの度が初めてなのでどんな様子なのかは行ってみないと判らない。ただ事前に調査した情報では12番焼山寺への道は「遍路ころがし」と称されるほどの険しいものだという。寒波が襲来しており、さすがに積雪までは考えにくいが山道が凍結しているかも知れない。油断は禁物だ。
朝ごはんをしっかり食べ、藤井寺への道すがらコンビニに立ち寄っておにぎりとビスケット、チョコレートなどと飲み物を調達した。四国に来て感じたことだが近畿圏内に比べてコンビニが少ない。特に車の多い主要道路を避けて、できるだけ歩き遍路で通る道を行こうとすると、ほとんど飲食店やコンビニに出くわすことがない。今日の11番から12番までの間は店がないと覚悟しておいた方が良さそうだ。
【朝食】7:00
宿坊の食事だけに質素である。ただ、炊きたてご飯とヒジキの煮ものはさすがにうまい。
【鴨島町】9:10
藤井寺のある鴨島町に入り、12番焼山寺があると思われる方角を眺めやると白く煙っている。雪が降っているのかも知れない。
【11番札所 藤井寺】9:23
大師お手植えと伝わる藤棚がある。5月であればさぞ美しかろう。
藤井寺の納経所にいらっしゃったご住職が我々の姿を見て「自転車ですか。それなら今上ってきた道を下り国道192号線を東へ7km行って、そこから南に曲がり鮎喰川に突きあたったら、鮎喰川を西に遡るルート(県道20号線)で行きなさい」と地図を手にアドバイスして下さった。
歩き遍路の道は自転車を携えては行くことが出来ず、県道31号線も狭く危険なので避けた方が良いらしい。ありがたくお言葉に従うことにした。ただし阿川トンネルを過ぎたあたりで教えていただいたルートを逸れ、玉ヶ峠を経由して県道43号線へ抜け、焼山寺に北から入るルートを選んだ。というのも教えていただいたルートでは焼山寺から今日の宿泊所「神山温泉ホテル四季の里」まで、往路と復路がダブるのだ。もちろんダブっても一向にかまわないのだが、別ルートの方が違う景色が楽しめる。ただ本当にこの道で正しいのだろうか、道を間違えはしないだろうかと少々不安であった。しかしここでも通りがかりの地元の方が声をかけて下さった。どう行くべきか、どんな目印があるかを事細かに教えて下さり、不安が解消されずいぶん助かった。結果として高い山の上にある家々など、四国らしい景色を見ることが出来て正解であった。
【12番札所 焼山寺】15:21
ようやく焼山寺に着いた。駐車場は塩をまいたように雪で白くなっていた。手洗い場は氷が張っていた。気温は氷点下である。寒い。とにかく寒い。
焼山寺をお参りした後は麓にある神山温泉まで一気に下る。しかし道は葛折りで急な坂道である。強くブレーキをかけないと危険だ。ブレーキを握る手の指が寒さで痛い。そのうち冷えすぎて感覚がなくなってしまった。普段は楽しい下り坂もこのときばかりは地獄の苦しみだった。これが「遍路ころがし」の試練か。
あたりがうす暗くなった17時頃「神山温泉ホテル四季の里&いやしの湯」に到着した。熱い湯にゆっくりつかり、食事では御酒をたくさんいただいて身体を温めたのはいうまでもない。いただいた御酒は「芳水」「鳴門鯛」と地ビール「神山ビール」(バーリィムーンとシワシワエールの2種)。いただいたGoToトラベルの地域共通クーポン4,000円で足が出てしまった。これではわざわざ四国に遍路に来たのか、酒を飲みに来たのか判らない。といいながら、かりに「遍路か酒かどちらかを選べ」と問われたとしたら迷わず「酒!」と答える男です、私は。「酒」こそ私のプライオリティー。別に偉そうにいうことではないけれど。
【走行ルート】走行距離60.26 km
【高度グラフ】高度上昇1,090 m、高度下降980 m、最高高度716m(焼山寺)
【気温グラフ】最低気温ー3℃、ひぇ~~~!