2021/10/09
気持ちの良い秋晴れの予報。本来なら秋祭りで屋台を担ぎ酒を吞んでいる日だが、新型コロナウイルスのため、今年も中止。ならばと備中高梁をサイクリングすることにした。
何年か前に倉敷から高梁川を溯って高梁市街までサイクリングしたが、その時は松山城にも、吹屋にも行かずじまい。今回は高梁市まで車で移動し、松山城と吹屋を巡ることにした。
朝暗いうちに家を出発し、福山に住む息子を拾って高梁に向かうので、前日から自転車を車に積み込む。
高梁市に着き、まずは天守を持つ山城では一番高いところにあるという備中松山城を見学する。城見橋公園駐車場に車を駐め、そこからお城まで歩いて登る。シャトルバスが出ていたが、お城までの距離を尋ねると2kmとのこと。急坂だろうが距離はたいしたことは無い。片道1時間はかからないだろうと歩くことにしたのだ。
思った以上に急な坂で息が切れたが、苦労して登っただけに高梁市を見下ろす景色がすばらしい。城には”さんじゅーろー”というかわいい猫城主もいた。
松山城で歩いた距離4.10 km、高度上昇359 mであった。このあと吹屋までロードバイクで走るのだが、ちょうど良い準備運動になった。
備中松山城をあとにして、高梁市街の某無料駐車場に車を駐めてサイクリングを開始。走り始めてまもなく懐石料理店「花のれん」で昼食。私と息子は「定食膳」を、つれ合いは「味のたまて箱」を注文した。出て来た御膳を見てその格差は一目瞭然。唖然としたが、しかし男子たるもの食べものに文句を言ったりしない。何もいわず食べたのはいうまでもない。
おいしい昼ごはんに舌鼓を打った我々は意気揚々と吹屋ふるさと村をめざす。走り始めて成羽美術館を通り過ぎたあたりまではゆるやかな上りを快調に走ったが、成羽川を渡り宇治下原線に入った途端、急な坂道になった。ここから約15kmの山道は本当にきつかった。疲れ果てて上り坂はほとんど押して歩いた感がある。この日の総走行距離は28.61 km、総上昇量1,156 mであった。下の高度グラフで13kmあたりからの激坂とその後の小刻みなアップダウンを見ると、このルートの過酷さが分かる。心拍数も急激に上がっている。
吹屋は高梁市成羽町の標高約550メートルにそびえる山村である。江戸時代末期から明治時代にかけて石見国(今の島根県)の宮大工によって建てられたのだそうだ。ベンガラという紅色が映えた家並みが統一感を持って美しい村だ。まるで明治時代にタイムスリップしたような感覚に襲われた。観光客が往来にあふれていたので写真は翌朝に撮ることにして、宿に入った。宿は「ラ・フォーレ吹屋」にとった。宿の前には旧高梁市立吹屋小学校があり、風情のある宿だった。
宿の食事は品数が多く、食べきれるかどうか心配だったが完食した。特に県産ブランド牛”千屋牛の鉄板焼き”がたいそううまかった。